介護職の仕事は、介護サービス利用者との身体的接触が必要な身体介護が中心になります。身体的接触の必要な業務は、入浴や排泄を始め食事や移動の介助など多岐にわたります。
利用者の多くは身体が不自由で、独りで日常生活を維持することができません。こうした身体介護の必要な利用者は要介護者と呼ばれ、不自由さの程度に応じて要介護度という基準が設定されています。
要介護度が1や2であれば、ある程度自力で日常生活を送れますが、要介護度が3から5になると日常生活のあらゆる面において身体介護が必要になってくるでしょう。
身体介護には専門的スキルが求められるので、介護福祉士や介護職員初任者研修などの有資格者のみに認められています。
利用者の健康管理も介護職の重要な職務です。利用者の健康状態を把握する手段として、介護現場ではバイタルチェックが欠かせません。
バイタルチェックとは、利用者の身体に異常がないか調べるために血圧や体温などのバイタルサインを測ることです。利用者の身体の状況に合わせて、呼吸数や心拍数などもバイタルチェックの対象となることがあります。
バイタルチェックも利用者との身体的接触を伴うため、身体介護の一部と言えるでしょう。
身体介護だけでなく、介護職には生活介護という仕事もあります。生活介護とは、利用者の衣類の洗濯や介護施設の清掃など、利用者との身体的接触を伴わない業務のことです。バイタルチェックで使用する計測機器の管理もこちらに含まれます。
生活介護を行う職員には、身体介護と異なり介護の資格は必要ありません。生活介護の仕事をしながら研修を受けて、身体介護に必要な資格を取得することが望ましいでしょう。